カルマンフィルタ (1)
はじめに
最近ブログ書いてないなあと思いまして、最後に書いたモノを確認したら「確率微分方程式勉強するぞ」という意気込みのみが書かれた記事でした。 あの頃(二ヶ月前)はデリバをしっかり理解してなかったといえます(かく言う今も理解しているとは言ってない)。よって, sell-sideとbuy-sideの違いも判るはずもなく、とりあえず面白そうだった確率微分方程式に手を付けようとしてましたね。今となっては少しsell-sideとbuy-sideの違いがわかってきて何を勉強すれば良いのか分かって来ました。
カルマンフィルタ
カルマンフィルタを理解する前に、パワースペクトル密度、状態空間モデルを理解する必要があると思います。と言いつつも私自身パワースペクトル密度をしっかり理解しておらず、式変形で納得する程度にしておきました。いずれは応用数学教室本を読んでゆっくり勉強していこうと思います。
ARMAモデル
有る確率過程 \(y(k) \)のパワースペクトル密度 \( \omega \)にまとめ、それを有理形( \( e^{jw},\ sin \omega , \, \, cos \omega \) .etc)に直します。
\(
\displaystyle \Phi(\omega) = \frac{1 + b^{2} + 2b cos{\omega} }{1 + a^{2} + 2a cos{ \omega} },
\hspace{12pt} |a| < 1, \, \, |b| < 1, \, \, 0 \leq \omega \leq 2 \pi \tag{1}
\)
として置いた場合, \(cos(\omega) = \frac{e^{j \omega} + e^{-j \omega}}{2} \) を用いて,
\(
\begin{equation}
\displaystyle \Phi(\omega) = \frac{1 + b^{2} + b (e^{j \omega} + e^{-j \omega})}{1 + a^{2} + a e^{j \omega} + a e^{-j \omega}}
\end{equation} \tag{2}
\)
となり,
\(
\begin{equation}
\displaystyle \Phi(\omega) = \frac{(1 + be^{j \omega})( 1 +b e^{-j \omega})}
{(1 + ae^{j \omega})( 1 + ae^{-j \omega})}
\end{equation} \tag{3}
\)
と因数分解にすることができる。
ここで, 白色ノイズ \( v(k) \)に対して線形離散時間動的システム(伝達関数)\( H(z) \) をかけたものが確率過程 \( y(k) \)とします。
\( B(e^{jw}) = 1 + b e^{jw}, \, \, A(e^{jw}) = 1 + a e^{jw} \) とおくと,
\( \Phi(\omega) = \frac{B(e^{jw})}{A(e^{jw})} \frac{B(e^{-jw})}{A(e^{-jw})} = | \frac{B(e^{jw})}{A(e^{jw})}|^{2} \)
となる。 \( z = e^{jw} \)とすると, \( A(z^{-1}) = 1 + a z^{-1} \) となり、
\(
y(k) = \frac{B(z^{-1})}{A(z^{-1})} v(k) \tag{4}
\)
となることがわかります。
式\( (4) \)を用いて
\(
y(k) + a y(k - 1) = v(k) + bv(k - 1) \tag{5}
\)
と変形することができるが、これを確率差分方程式と云います。
ARモデル
ARは, 上記で求めたARMAの分母部を伝達関数とした場合である。
つまり、
\( y(k) = \frac{1}{A(z^{-1})} v(k) \tag{6} \)
であります。
MAモデル
MAは, 同様に上記で求めたARMAの分子部を伝達関数とした場合である。
つまり、
\( y(k) = B(z^{-1}) v(k) \tag{7} \)
であります。
実際、このAR, MAを用いて計算すると面白いと思います。
これらにより、
すべての定常過程は、白色ノイズを安定・最小位相フィルタを 通すことによって生成されると云える。
さいごに
次の記事はこれらの線形動的モデルを用いてカルマンフィルタ問題をどのように考えるかについて書きたいと思います。